球形の季節

舞台は東北の小都市。題材は神隠し。主人公は地元の高校生たち。よくある噂話の究明から謎解きが始まる。この町は昔から異界と繋がっていた。ここでの異界は決しておどろしいものではなく現実世界と近い存在であり、人類の進化の可能性を暗示する場所として描かれる。それぞれ個性的で魅力ある登場人物の書き分け、導入部からの展開力は見事だが、結末はもうひとつしっくりこない。ただし楽しめるレベルであることは間違いない。長編2作目で評価は分かれるところだろう。

球形の季節 (新潮文庫)

球形の季節 (新潮文庫)