初老の著者が京都から下関へ旅する。677キロの鉄路を自らの会社人生になぞらえ、来し方を振り返る。主な観光地を網羅し、旅情をかき立てようとするが、もうひとつ。鉄道関係に集中した方がいいのでは。唯一興味を引いたのは石見銀山。ローカル線の廃止、規格化された主要駅など、時代が鉄道の旅を味気なくしているのは事実。どうしても同じ路線を描いた宮脇俊二氏の著作と比較されるにはハンディが大きい。ところどころでビジネス書として人生訓が語られるが、ステレオタイプの域を出ずむしろ中途半端な印象。
- 作者: 野村正樹
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/04
- メディア: 単行本
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