期待の左腕として高校生ながらドラフト1位で入団した湯口敏彦。重圧につぶされ精神を病み、最期は謎の急死を遂げる。本書はその真相を追ったルポ。ただ直接の死因についてははっきりと触れられておらず、謎のまま終わる。球団の事情から型にはめ一日もはやく戦力化しようとしたことが結果として不幸を呼んだ。むしろ批判はその後の隠蔽体質。責任回避に向けられる。後半は王監督解任までのドキュメント。これは無いほうが主題の明確化の点では良かっただろう。
- 作者: 織田淳太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/02
- メディア: 文庫
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