主人公は地方の芸術家アトリエの管理人の青年。ある日助けた水棲の小動物と奇妙な共同生活が綴られる。ブラフマンという哲学的な名前を与えられる。結局種別は最後まで明らかにされず、読者の想像にゆだねられる。カワウソかビーバーのイメージ。青年は駅前商店の娘に恋心を抱くが、彼女にはすでに恋人が存在する。嫉妬心を述べたところでブラフマンは最期を迎えてしまう。何を象徴しているのか。古代人の石棺と墓碑がが巧みな背景として配される。小川洋子の不思議な世界。
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/04/13
- メディア: 単行本
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