渾身

舞台は隠岐の奉納相撲。寄せ方の正大関に大抜擢された男が、20年に一度の大勝負に挑む。まさに渾身の相撲で最終的には敗れはしたものの、地区の人々、早世した前妻と、その友人である現在の妻(主人公)、おれぞれの親族の絆を深める。描かれているのは時間の経過でいえば半日足らず、考えてみれば単純なストーリーである。取り直しを含め3番の相撲描写はややくどい気はするが、ラストにはしっかり感動させてもらった。秀作と言っていい。

渾身

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