主人公は定年退職のその日に地下鉄で倒れ、生死の境をさまようことに。集中治療室のベッドから魂が抜けだし、自らの過去をさかのぼることになる。最大の負い目は孤児であったこと。地下鉄の車内で実母に捨てられるシーンがクライマックス。二人が離れてても生きるための悲しく辛い選択。戦後の日本ではあり得る話。人々の温かさが赤ん坊を救う。この手の話を書かせると上手いのはわかっているが、感動させられる。悲しく美しい人生に乾杯。
- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 毎日新聞出版
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: 単行本
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