殺人犯はそこにいる

北関東幼女連続殺人事件。そのうちの一件が足利事件である。著者は強引な警察の捜査に疑問を抱き、独自の調査報道を行う。有罪の決め手となった初期のDNA鑑定は完全に誤りとされ、再審請求の末容疑者は無実が証明された。実は真犯人も特定しているのだが、すでに死刑を執行した飯塚事件への波及を恐れた当局はさらなる隠ぺい工作に走る。権力の乱用による冤罪の恐ろしさを詳らかにし、報道の在り方を問い直す渾身のノンフィクション。大作だが引き込まれた。もちろんA評価。

殺人犯はそこにいる (新潮文庫)

殺人犯はそこにいる (新潮文庫)