女神のタクト

神戸の貧乏オーケストラが舞台。主人公は傷心旅行中にふとしたことから運営に関わることななる。気弱なマエストロを連れ戻し、曲者の事務総長とやりあいながら持ち前のバイタリティーで定期公演にむけて全力疾走する。実は指揮者はオーナーは孫であり、余命短い祖父のために思い出の曲であるラフマニノフのピアノ協奏曲を自ら演奏し指揮する。ユーモアたっぷりの語り口でありながら最後はしっかり感動させる。やはりこの作者はすごい。オーケストラのスタッフ部門の詳細もよく描かれている。A評価。

女神のタクト (講談社文庫)

女神のタクト (講談社文庫)