待ってる

江戸の人情話。料亭「橘屋」を舞台に貧しい人々の生活を描く。美人で厳しくも気っ風のいい仲居頭お加代に主人公の少女が育てられる。他の訳ありの勤め人もさまざまな事情をお加代に救われる。庶民には厳しい時代だが助け合いと思いやりの世界は暖かい。背中に重荷をしょっても生きていく女性たちのたくましさと美しさ。時代物を書かせても著者は凛としたモノを残す。流石。