犬の伊勢参り

江戸時代には単独で伊勢参りを果たした犬が多数いた。にわかに信じがたい事実を著者は丹念な文献調査で解明する。何かの事情で主人の代参として郷里を出た犬は、宿場ごとに申し送られ伊勢へ送り届けられる。神への信仰と恐れのなせる技であるが、共同体としての日本の良き面が出たとも言える。内容としては伊勢信仰や里犬など周辺情報も豊富で興味深く読破。

犬の伊勢参り (平凡社新書)

犬の伊勢参り (平凡社新書)