誰にも書ける一冊の本

老いた父の臨終の席で手渡された原稿。それは残された家族にあてた自伝小説であった。息子である語り手から見ても平凡な人生と思ってた父親の、波乱万丈の人生が語られる。作中作の登場人物が雪の中の葬儀に駈けつけるラストは感動的。死に様をテーマにした競作らしいが、作者らしい質の高い中編に仕上がっている。

誰にも書ける一冊の本 (テーマ競作小説「死様」)

誰にも書ける一冊の本 (テーマ競作小説「死様」)