幻日

島原の乱を描いた力作。キリシタン側、幕府側の両面から描く。もちろんフィクションだが天草四郎は遣欧使節からただ一人棄教した千々石ミゲルの忘れ形見とする新説。厳しい修行ですでに霊体分離まで習得していたと描かれる。幕府側の主人公は上使である松平信綱。戦国の気風の残る西国大名を動員して、統制と戦後処理に腐心する。能吏だが徳少なしと評される信綱が最後にみた幻の光がタイトル名。一気に読ませる。

幻日

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