千年樹

その名の通り樹齢1000年の樟の大木。しかしその周囲にはなぜか不幸な歴史がまとわりつく。8編の短編からの連作。それぞれの中で現代と過去の挿話が絡み合う。大木は人間にあるとき冷酷であるときは暖かい。最後に寿命と判断され人間の浅はかな思惑で切り倒されてしまう。思い上がった人類への皮肉も軽めに。作者の構成力に脱帽させられる。

千年樹 (集英社文庫)

千年樹 (集英社文庫)