永遠のゼロ

現代に生きる姉弟が実の祖父が零戦パイロットであり、終戦間際に特攻で戦死したことを知り、戦友を訪ね証言を聞くことでその実像に迫る。操練からのたたき上げの特務士官であった祖父は真珠湾から沖縄戦まで生き抜いたエースの一人であるが、愛する妻子のために死ねないと公言し、卑怯者と非難される。しかしその言動は消耗品として下士官、兵が扱われた旧海軍の中では輝く反骨の精神であり、人間愛に満ちたものだった。教え子達を次々特攻に送り出した彼は、最後に覚悟の上、自ら死地に赴く。最後のサプライズはできすぎで不要と思うが、戦争の悲惨さ、不合理さを描いた力作。

永遠の0 (ゼロ)

永遠の0 (ゼロ)