プリズムの夏

青春恋愛小説。高校生の二人組が年上の女性に憧れる。美しいその人は母親から受けたトラウマからうつ病であり、リストカットの過去がある。自身のブログで失恋の痛手から自らを消し去ることを宣言する。主人公たちはそれぞれの事情を抱え葛藤しながらも、ヒロインを救おうと懸命に奔走する。現代社会の縮図の中で、年上の女性への憧憬も耽美主義では終われないようだ。緊迫感のな中で青春の脆さ、初恋の淡いほろ苦さを描いて好感が持てる。

プリズムの夏 (集英社文庫)

プリズムの夏 (集英社文庫)