月下の恋人

短編集。いつもながらの浅田ファンタジーで男女、親子の情愛を細やかに描く。2001−2004「小説宝石」への掲載作品を収録。今回は読者に登場人物の関係と真の結末を想像させるような構成の作品が目についた。おすすめは女子高生の義父への感謝の想いを描いた「告白」、過去の女性の想いをナビに語らせる「あなたに会いたい」。いつもながら言葉はよく選ばれ、練られているが少し技巧が目につく。

  • しがらみは「柵」という漢字を書く(忘れじの宿)
  • 体がばらばらに壊れるほどの勇気をふり絞って「お父さん」と言った。(告白)

月下の恋人

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