空山

九州の地方都市を舞台とし、環境問題をテーマとする社会派ノベル。ゴミ処理問題に関する著者の深い知識と明確な主張が、老村長、女性議員、診療所医師らを通して切々と訴える。村おこしとして始めた薪能が良い背景となっている。決して若くない女性陣の熱い恋愛感情がほどよく効く。最後の決着はやや勧善懲悪に走り、安易な感じがする。力作。

空山 (講談社文庫)

空山 (講談社文庫)