バイクで旧大日本帝国の足跡をたどる旅行記。サハリン、台湾、樺太、満州はもとより、北朝鮮、南洋統治領まで対象に含めていることは驚いた。侵略、占領地としての負の遺産より、産業振興、社会発展への貢献をポジティブに捕らえようとしている。実際に現地の人々とのインタビューをもとにしたフィールドワークの成果だが、戦後教育に縛られない新たな世代の感覚だろうか。個人的にはやや礼賛がすぎる気はする。印象的だったのはノモンハンの探訪。今思えばなぜこんな僻地の激戦で尊い人命が損なわれたのか疑問に感じるあたりは共感。歴史上既知の事実が述べられている部分も多く、やや記述がたるい。
- 作者: 西牟田靖
- 出版社/メーカー: 情報センター出版局
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 単行本
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