2013-06-09 巨鯨の海 書評 南紀太地を舞台とする連作。時代は幕末から明治初期。独特な捕鯨組織の中での男たちの葛藤と成長を描く。生死を駈けた戦場だけに厳しい階級制と組織の掟が支配する。すぐ外洋には黒潮の流れがあり、そこに入り込むと遭難は免れない。子を守ろうとする母親鯨の戦いも繰り返しモチーフにされ印象的。全体に読みやすく一定以上の出来なのだがもうひとつの感は否めない作品だった。巨鯨の海作者: 伊東潤出版社/メーカー: 光文社発売日: 2013/04/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見る