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二人の少女の物語。小学生の律は自分に自信が無くクラスでの位置取りに気をつかう大人しい女の子。わずか3人のグループ内でも微妙な関係に一喜一憂する。瀬利奈はクラスで完全に孤立する自閉症の子。何かあるとトイレの用具入れに閉じこもり自分の世界へ逃げ込む。ある日瀬利奈に「くるみ割り人形」を読み聞かせたことから事態は一変。彼女は主人公マリーになりきることで外の世界へ出て行く。二人は学生になり再開。新たな関係を確認することで本当の自分をみつけるために再び成長を始める。お決まりの男性との恋愛はほとんどストーリー上に登場しない不思議な世界であるが一気に引き込まれた。女性読者は共感できる部分が多いのでないか。

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夢をつなぐ

ママさん宇宙飛行士である著者の自伝。小学生のときに見たチャレンジャー事故。アニメ好きの少女は搭乗していた女性教師の死を自らの夢と重ね合わせる。これが原点となる。難関を越えて候補生に、訓練中に結婚、出産、夫はサポートにまわるために退職しやがて鬱にそして離婚の危機。それを乗り越えただけに家族のきずなは人一倍大事にする。わずか20日間のフライトのために捧げられた10年以上の月日。チャレンジに満ちた濃い人生である。家族や宇裏方の人々への感謝も忘れない。次の世代へ宇宙への夢を繋ぐ一冊。筆はつたない感もあるが名著である。

  • 世の中の最大の壁は自分の感情である。腹をくくるっことでその壁を乗り越える。
  • 「この美しい地球に生まれたことを誇りに思って下さい。」(帰還時の記者会見)

夢をつなぐ  山崎直子の四〇八八日

夢をつなぐ 山崎直子の四〇八八日