赤い三日月

1990年代のトルコが舞台。東京銀行がモデルの日本人銀行員とトルコの財務当局がローンをめぐって折衝を繰り返す。それぞれの立場と内部事情があるが、デフォルト寸前の財政を使命感に燃えるバンカーが危機を救う。シンジケートローンや債権の発行など緊迫感のある展開で、国際金融の裏事情が描かれるのは作者ならでは。IMFに名を借りたアメリカの正義が本当の黒幕。好著である。

赤い三日月 小説ソブリン債務(上)

赤い三日月 小説ソブリン債務(上)

赤い三日月 小説ソブリン債務(下)

赤い三日月 小説ソブリン債務(下)