本田宗一郎と「昭和の男」たち

ホンダの創業期からマン島レースで勝利を収めるまでの苦闘を描く。すでに伝説となっている物語であるが、作者特有の緻密な取材とシンプルな表現力で再構成してみせる。カリスマを持った宗一郎とそれを見返すべく食らいついていく多能な男たち。トップは時には夢のような目標を組織に与える必要がある。あとがきによれば疲弊した日本のモノ作りの再生を望んで上梓したとのこと。それは有り難い。

本田宗一郎と「昭和の男たち」 (文春新書)

本田宗一郎と「昭和の男たち」 (文春新書)