住友を破壊した男

住友の中高の祖、伊庭貞剛の伝記小説。近江の武家の出身。若い頃から有能で清廉潔白な人柄。国を想い討幕の志士となるが、維新後は司法の道へ。出世は果たすが官に飽き足らず、叔父広瀬に請われて住友に入る。別子銅山の改革で苦労。地道な努力は末端まで共感を呼ぶ。やがて専横的となる叔父と衝突。やがて引退を強いる。自らは出処進退を明確にし、早めに後進に道を譲る。生き様を貫くのは漢学の教養とその実践力。こんな男がいたことは実業界の誇り。小説としては読みやすく週末に一気に読破。

 

-成功体験を破壊する強い意志。

-主君への諫言は一番槍に勝る。

 

 

住友を破壊した男 伊庭貞剛伝

住友を破壊した男 伊庭貞剛伝

  • 作者:江上剛
  • 発売日: 2019/03/02
  • メディア: 単行本