2019-12-01 小さいおうち 書評 歴史 生活 社会 昭和初期。東京近郊の中流階級に奉公した女中さんが主人公。美しい奥様と小児麻痺の長男に献身的に尽くすが、微妙な関係が秘される。戦争の時代で本人は故郷に返されるが、夫婦は大空襲で命を落とす。彼女の記録がやがて謎を明かすが、真の答えは読者の想像に任される。戦中の庶民の考え方や雰囲気は意外と明るい。終盤の二人の女性の関係は感動もの。展開もちょうどよく読まされた。さすがの秀作である。 小さいおうち (文春文庫) 作者: 中島京子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2012/12/04 メディア: 文庫 クリック: 7回 この商品を含むブログ (72件) を見る