危険な美学

美学の持つ危険性を一般向けに訴える。例に出すのは作詞によって戦争協力者となった高村光太郎と宮崎アニメの「風立ちぬ」。美しいものは感性に訴え、真(知性)、善(理性)の価値判断を超越する力がある。芸術家は無意識のうちに美を追い求めるうち、美自体と自らの行為に眩惑され協力者となってしまう。悪意を持って利用するものが現れるときさらに危険性は高まる。難解な美学論争を実例を示すことで新書レベルまで落とし込んでいるが、最後まで気を抜かず読破する必要がある。