紺碧の果てを見よ

海軍士官たちの戦いを描く。江田島入学時に4人のクラスメート。一人は病死するが個性豊かな3人はそれぞれ選んだ分野で戦う。主人公は意見具申が上層部の意に反し、海防艦での護衛任務。戦史を俯瞰するのでなく情報の限定された現場での戦いは生々しい。主題は家族への想い。兄を慕いながら芸術家となる美しい妹。痣をコンプレックスにもつ愛すべき妻。家族を守る防人としての覚悟。最後は抗戦派を抑え、自らの艦と乗員を生きて帰すことを目的として終戦を迎える。感動の力作。他の著書を読んでみたい。

 

 

紺碧の果てを見よ (新潮文庫)

紺碧の果てを見よ (新潮文庫)