宇宙飛行士選抜試験。

10年ぶりに行われたJAXAによる選抜試験。最終試験に臨んだ10人にNHKの密着取材が許される。本書はその取材記でありドキュメントとして厳しい試験が描かれる。7日間にわたる宇宙ステーションを模した密閉空間での共同生活。極限のストレスの中で次々と課題が課せられる。評価されるのは取り繕った才気ではなく人間性。いずれ劣らぬ優れた人格を持つ受験者達の真の姿が評価されていく。求められるのはリーダーシップとフォロワーシップ。高いレベルであらゆる項目に60点を取ることは難しい。NASAに移ってからはむしろ宇宙飛行士としての人生の選択について根源的な問いが発せられる。そして最終結果の発表。誰もが合格してもおかしくない中で、合格者は3名のみ。家族を含めて感動のドラマがラストを飾る。あたりの新書。文句なしのA評価。

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)