歴史長編。戦国時代の海賊王村上武吉の娘が主人公。父の資質を最も引き継いだヒロインが木津川海戦に臨む。戦いの悲惨さに一度は引きこもるが、本願寺に残して来た信徒を想い、再び鬼手として水軍を渦中に巻き込む。周囲の登場人物はみな史実上の実在人物。中でも泉州海賊を率いる真鍋の当主が圧倒的な存在感で描かれる。前半はコミカルに後半は重厚な描写。戦闘シーンがさすがに長くやや疲れた。文庫本で4冊の大作。
独自の視点、史観から現代史を論じる。すべてはユダヤ財閥の陰謀だとする極論。彼らの目的は国家単位を超えたグローバリズム。これが正だとすると為政者は自国民を犠牲にしてまで、陰の政府に尽くしたことになり、にわかに信じがたい。トランプはその闇の力にまっこうから反対していると擁護。問題の書。
知ってはいけない現代史の正体 グローバリストに歪められた「偽りの歴史」を暴く (SB新書)
続編。新宿近くの横町にある。BAR追分。そこに巣くう主人公は物書きの修行中。商店街の管理人として地域の世話をする。4篇からなる本書は彼の周囲におきる些細な事件から人の触れ合いを描く。登場人物はそれぞれ事情を抱えながら皆良い人でほのぼの感あふれる仕上がり。昼間のバールで出される食事が美味そう。